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古木(古材)=人と環境に優しいエコ材

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古木(古材)とは、国産のものでは主に古民家の柱や梁などに使われていた木材を指し、一般的には、おおむね戦前に建てられた民家の解体から発生した質の良い木材を古材と呼んでいます。

 

環境重視の時代背景を受け、今では入手が困難な上質で立派なサイズの国産古材は「木材のリサイクル品」として見直され、自然素材ならではの経年変化による独特の色合いと温もりある風合い、十分に乾燥されたことによる新材にも勝る強度は飲食店や住宅の建材として活路を見出し始めています。

 

合板と違って、自然素材の古材はホルムアルデヒドなど人体に有害な化学物質の発生もありません。 そのため、建材・塗料・家具などから発生する ホルムアルデヒドなどのVOC(揮発性有機化学物質 ) による室内空気汚染 によって引き起こされる病気・症状(シックハウス症候群)軽減にも役立ちます。

 

人と環境にとことん優しい究極のエコ材、それが古木(古材)なのです。


釿(ちょうな) の跡

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荒々しくダイナミックな波状の削り肌は釿(ちょうな)という手斧によるものです。電動ノコギリが無い時代は、この釿を振り下ろして打ちつけることで木材の表面を削りだしていました。

 

古来より柱や梁など用材を荒削りするための道具として使われてきた釿は“大工道具の生きた化石”ともいわれ、木造建築が減少した現在では出番が減り、使いこなせる職人も少なくなってしまいました。

 

人の手ならではの、不規則に波打つ無骨な表面加工からは温もりが感じられて見飽きることがありません。

←これが釿(ちょうな)です。

アーチ型の持ち手は主に槐(えんじゅ)の材を藤で縛って曲げ、乾燥させて作ります。写真の釿は当社の職人さんの私物です。「うっかり足の脛に刃を振り下ろさないように気をつけてね!」との一言にヒヤリ!

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ほぞ穴

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釘を使わずに木材を凸凹に組み合わせて接合(木組み)する際に、片方の木材につくる突起部分を“ほぞ”といい、“ほぞ”を差し込む穴を“ほぞ穴”といいます。

 

角ノミ一本で精巧な寸法に彫られたほぞ穴は熟練の職人の技と勘の賜物です。木材は使える限り何度でも使い回すのが当たり前だったかつての日本の家づくりにおいては、新築の家にも古いほぞ穴が残る柱や梁がよくみられ、江戸時代にはほぞ穴彫りを専門とする「穴大工(穴屋)」がいたとか。

 

ほぞの語源は「へそ」。様々な形に彫られた“木材のおへそ”は現代のモダンな空間においても素朴で個性的なアクセントとして活躍し、花器や小物をディスプレーして楽しまれる方もいらっしゃいます。

←昔は釘を使わず、ほぞとほぞ穴を組んで木を接合していました。

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独特の色あい。たとえば艶めくダークブラウン

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50年、100年と経過した家では木材の色がすっかり変色しています。その色は、家の生活と共に長い年月をかけて作り上げられた複雑な色合いであり、私たちに落ち着いた雰囲気を醸し出しています。 こうした色合いは新材では出せない古材ならではの特徴です。


煙や煤(スス)に燻された木肌

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木肌についた“真っ黒”の正体は囲炉裏から立ち昇った煙やススによる汚れです。

 

煙やススに含まれる脂が長年のあいだ木材の表面を保護し、また、じっくりと染みこむため、表面の汚れを取り除いて磨きあげると、ひとつ前にご紹介した画像のような艶のあるダークブラウン色の木肌が現れます。

 

写真はケヤキですが、ケヤキのもともとの色はホワイトグレー味を帯びたブラウンです。煙やススが保護し、染みこんだおかげで、このなんとも言えない深いブラウンに変身を遂げたのです。

 

屋外での使用であれば、このまま磨かずに迫力満点のスス汚れを生かすも良し、磨きあげて色艶を愛でるも良し。お客様のセンスでご活用ください。


曲がり

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古民家が建てられた時代は屋根と天井の間など人目に触れない位置に曲がった木を使う工夫で施工の予算を抑えていました。

 

真っ直ぐな建材が基本の現代においてはサイズも立派で色艶のいい曲がった木材は稀少。先人たちの節約の知恵が100年の時を経て空間の素敵なアクセントとして再び注目を浴びるなんて素敵ですよね?

 

画像は栗の柱。ミロのヴィーナスの腰を思わすまろやかな曲線に創造欲がかきたてられます。


畳の跡

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凸凹と規則正しい格子模様は畳の跡。繭蔵で使われていた床材です。

 

繭の収穫は年に2回。「お蚕様(おかいこさま)」の飼育期間以外は床板に畳を敷いて人が暮らしていたのでしょう。絹糸が珍重され、繭が貴重な生活の糧だった当時の暮らしが偲ばされます。

 

表面を畳で保護されていた期間があったため荒れや日焼けも少なく、状態は良好。カウンターの腰板などにいかがでしょうか?


線路レールの跡

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当社が扱う枕木は、実際に国鉄や私鉄で使われた中古枕木のため、表面にはレールの跡や釘で停まっていた跡、機械油の跡などが残り、ひとつひとつが長い歴史を忍ばせます。

 

一般のホームセンター等で販売されている枕木とは一線を画する趣きたっぷりの本格枕木は在庫限りのご提供です。お客様のイメージと合う素材であれば、お早めにお問い合わせ下さい。


墨つけ跡

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「墨つけ」とは木の表面に刻むための寸法や目印となる線を書き記す作業のこと。昔の大工さんは、目でみて、木の癖や性質を考えたうえで、墨つけをし、刻んで削ると、技と勘をフル活動させながら丁寧に製材加工していました。仕事への情熱とプライドが込められた職人直筆の墨文字には堂々とした風格が漂います。


法隆寺が証明した!驚きの強度

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鉄をはじめ無機質な材料は新しい時が一番強く、パソコンなどの機械も新しい時が一番性能良く、年代の経過とともに弱くなります。 一方、生物である木は、はじめは能率があがりませんが成長とともに段々習熟していく人間と同じように、伐採した後、序々に強度を増していくという特徴があります。 

 

法隆寺昭和大修理の際に出た木材(ここではヒノキ)を試験材に実験した結果では、曲げ・圧縮・硬度などの強さはいずれも200年位までの間だんだん増大し、最大30%近くも強くなり、その後低下して1000年以上を経過してようやく伐採当時の新材と同じ強さに戻ることがわかりました。なんと、法隆寺の建築材は一部の強さを除き創建当時と殆ど変わっていなかったのです!

 

掲載の画像は当社の倉庫にある100年以上を経たヒノキの古材ですが、いい感じに枯れた木肌をめくると中は生き生き!顔を寄せるとふわっと良い香りもして驚かされます。